「フォアフット気味」走法でMGCの切符をつかむ。男子マラソンの神野大地(25=セルソース)が福岡国際マラソンを翌日に控えた2日、福岡市内で最終調整した。

2時間11分42秒以内ならば、20年東京オリンピック(五輪)の代表選考会「マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)」(19年9月)の出場権を得る。「MGCの出場権を確実に取る。どれだけ先頭で勝負できるか。この2つが目標」と意気込んだ。

初マラソンだった前回の福岡国際では「ハーフぐらいで限界だった」と2時間12分50秒に沈んだ。そこから進化を遂げた。マラソンに集中するため、所属していたコニカミノルタを4月末に辞め、プロに転向。フィジカルトレーニングの成果で太ももや背筋が太くなった。筋力が付いたことに加えて、夏は2ケ月間、ケニアで合宿を積み、悪路を走った副産物もあり、体の使い方も変化を遂げた。

今まで「後倒気味」の走り方だったが「前傾」の姿勢となったという。また足の接地も体への負担が少ない反面スピードが出にくいとされる「ヒールストライク走法」(かかと着地)から「中間よりちょっと前になってきた」という「「フォアフット(爪先からの着地)気味」に。2時間5分50秒の日本記録を出した大迫傑(27=ナイキ)やアフリカ勢が身に着けるスピードが出る走り方に自然と近づいた。「体もメンタルも成長できた1年」と手応えをつかむ。

今大会は再生医療事業を手掛けるセルソース社の所属となり初のレースにもなる。「自分の夢をサポートしてくれるのを決めてくれたセルソール、しっかり結果で恩返しをしたい」。新たな支えも背に、1年間の進化を示す。