マラソン3度目となる中村匠吾(26=富士通)が全体15位の2時間14分52秒でゴールした。

初マラソンとなった昨年3月のびわ湖毎日マラソンで、すでに20年東京オリンピック(五輪)の代表選考会「マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を獲得している中村。4カ月間しっかりとトレーニングを積んだ今大会は、2時間6分30秒を目標として挑んだ。

「パーフェクトな練習ができた」と言うように、序盤から1キロ3分を切るペースでアフリカ勢と一緒に先頭集団についていったが、20キロ過ぎに先頭集団から遅れ始めた。それでも25キロ過ぎまでは日本記録を上回るペースで佐藤悠基(32=日清食品グループ)に次いで日本人2位をキープした。その後はペースが上がらず徐々に先頭集団から離された。

過去2戦はともに35キロ過ぎに失速。終盤まで我慢することを意識して調整したが、今回も後半ペースが落ちてしまった。富士通入社後も大学時代の恩師である駒大・大八木監督と一緒に練習。「この人についていけば世界に通用する」と絶大の信頼を置いている。高速レースを想定し、1キロ2分57~58秒で長い距離を走れるように、2分55秒前後のペースで練習してきた。12月、1月で40キロ走を8本走った。これまでは40キロ走をすると2、3日休んでいたが、今回は翌日にスピード練習を行うなど成長を感じていた。

大八木監督からは「練習はしっかりできているから気楽に走れ」とアドバイスをもらっていた。「失うものはない」と話していた通り、序盤は攻めの走りを見せた中村。初マラソンから半年に1度のペースでレースに参戦。MGC、そして東京五輪まで見据えたレースプランはできている。駒大初の五輪選手へ。今回は納得のレースとはいかなかったが、MGCでは出場権を勝ち取り、東京五輪のスタートラインに立つ。