男子100メートルではクリスチャン・コールマン(23=米国)の9秒85、女子3000メートル障害のノラ・ジェルト(23=ケニア)の9分03秒71など6種目で今季世界最高が誕生した。また、地元ノルウェーのカルステン・ワルホルム(23)が男子400メートル障害で47秒33のヨーロッパ新記録で圧勝した。

日本勢は男子100メートルの小池祐貴(24=住友電工)が10秒15の5位、同400メートル障害の安部孝駿(27=ヤマダ電機)も49秒78で5位、同棒高跳びの山本聖途(27=トヨタ自動車)は5メートル61の6位だった。

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男子100メートルはコールマンの特徴が発揮されたレース展開だった。

スタートからの加速局面でリードを奪うと、謝震業(25=中国)以下を寄せ付けなかった。16度と気温としては低めだったが今季世界最高を0・01秒更新した。

「理想的なコンディションではなかったけど、観衆が良い雰囲気をつくってくれたので自分のやるべきことに集中できた。ドーハ世界陸上(9月開幕)では金メダルを取りたいから、この後もハードワークを続けるよ」

コールマンの強さが際立ったレースだった。

小池は後半でじりじり離されて5位だったが、前半はしっかり2位争いに加わっていた。9秒9台の自己記録を持つ2選手に勝ったことは評価できる。100メートルのスピード向上は、本職の200メートルに結びつく。日本選手権(6月27~30日)でのサニブラウン(20=フロリダ大)との激戦を予感させる。

 

本人も驚いていたのが男子400メートル障害で、ヨーロッパ新記録を出したワルホルムは何度も手で顔を覆ったり、頭をトラックに押しつけたりして喜びを現した。

「タイムを見たときは信じられなかった。ヨーロッパ記録で、それも地元のビスレットゲームズで走るなんてクレイジーだよ。人生最良の日の1つに数えられそうだ」

昨年アブデルラーマン・サンバ(23=カタール)が46秒98と、史上2人目の46秒台突入を果たした。ワルホルムがそれに続く可能性が出てきた。

◆今季の男子100メートル

今大会前は3選手が9秒86をマークしていた。

ダイヤモンドリーグ上海大会で優勝したノア・ライルズ(21=米国)と、2位のコールマンが9秒86の同タイム。サニブラウンが9秒97の日本新を出した全米学生に優勝したディビン・オドゥドゥル(22=ナイジェリア)も、9秒86だった。

今季の9秒8台はこの3人だけで、現時点の3強と言っていい。

オドゥドゥルが今後、どのくらいダイヤモンドリーグに出場するかは未定。

まずはコールマンとライルズが直接対決する全米選手権(7月25~28日)が注目される。