世界と戦える手応えを積み重ねた。男子走り高跳び日本記録保持者の戸辺直人(27=JAL)が19日、成田空港着の航空機で帰国した。

国際陸連主催の最高峰シリーズであるダイヤモンドリーグのラバト大会では、全種目を通じ、過去日本勢最高となる2位。2メートル28の記録は、五輪、世界選手権で計3つのメダルを獲得している優勝したボーダン・ボンダレンコ(ウクライナ)と同じだった。戸辺は「欲を言えば勝ちたかった。世界チャンピオンは勝負強さが違うと痛感させられた」とした上で「自分の力が世界に追いついてきて、戦えるようになってきた」と語った。

今季2メートル35の日本記録を樹立した後、さらなる記録更新を目指すため、踏み切り位置を下げている。「だいぶ形になってきた」。世界と戦うために、無理のない角度で跳べるようにする新たな助走の形。その感覚もつかみつつある。

日本選手権(博多の森陸上競技場)では4年ぶり3度目の優勝を果たし、すでに参加標準記録を突破している秋の世界選手権(ドーハ)の内定を狙う。「ここで内定をもらいたい。勝ちにいく試合をしたい」。ただ視線は、さらに上の世界へ向ける。「しっかり結果を残せるように、1日1日準備をしていきたい。本番で日本記録を更新し、メダルを獲得できたら」と力を込めた。