男子走り高跳びで2メートル35の日本新記録を持つ戸辺直人(27=JAL)が2メートル27で4年ぶり3度目の優勝を果たした。秋の世界選手権(ドーハ)の代表に内定した。

今季は助走の歩数を6歩に固定したことが飛躍の契機となった。以前は7、8、9歩など複数の歩数で練習していたが、どの会場でも可能な6歩だけに絞った。同じ動きを繰り返すことで、踏み切りの技術は安定した。また踏み切りの瞬間、両腕を一緒に振り上げていたが、昨年9月から世界の主流とは異なる片腕を上げて踏み切るフォームに変更。腕の動きにつられ、体が浮き上がる悪癖が修正された。1つの技術の土台を積み上げ続け、進化を遂げた。

さらなる記録の更新を目指し、春以降は踏み切りの位置を下げ、より無理のない角度で跳躍できるように調整を重ねていた。国際陸連の世界ランキングは3位。トラック&フィールド種目において、最もメダルに近い位置にいるともいわれる。世界選手権では日本勢初とメダルはもちろん、目指すは金メダルの194センチ。15年世界選手権は予選敗退に終わったが、進化を見せつける。