昨年のダイヤモンドリーグ・チャンピオンが7人、今季世界最高記録保持者が11人出場する。男子100メートルでは注目の新鋭ノア・ライルズ(21=米国)と全米学生優勝のディバイン・オドゥドゥル(22=ナイジェリア)、2年前の世界陸上金メダリストのジャスティン・ガトリン(37=米国)が対決する。

男子棒高跳では6メートル台の自己記録を持つ選手5人が激突。日本の山本聖途(27=トヨタ自動車)もエントリーした。

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9秒81の今季世界最高を持つクリスチャン・コールマン(23=米国)こそ出ないが、男子100メートルに今季世界2位から6位の5選手がそろった。

9秒86の今季世界2位に並ぶライルズとオドゥドゥルが対決する。

ライルズはダイヤモンドリーグ・ローザンヌ大会(5日)の200メートルで19秒50の世界歴代4位を出したばかり。スタートが苦手で離されることが多いが、後半の強さには定評がある。9秒86を出した5月のダイヤモンドリーグ上海大会でも、スタートの得意なコールマンを逆転した。モナコでも優勝候補筆頭だろう。

オドゥドゥルは昨年までは自己記録が10秒10だった選手で、今季急成長を見せた。9秒86で走った6月7日の全米学生では、9秒97の日本新を出したサニブラウン・アブデル・ハキーム(20=フロリダ大)に0秒11差をつけた。ダイヤモンドリーグ初参戦のオドゥドゥルが、どんなレース展開をするのか関心を集めている。

不気味な存在になってきたのがガトリンだ。ゴールデングランプリ大阪(5月19日)に10秒00で桐生祥秀(23=日本生命)を0秒01差で破ると、ダイヤモンドリーグ・スタンフォード大会(6月30日)では9秒87の今季世界4位記録でコールマンに次いで2位に入った。強敵不在ではあったが、ローザンヌ大会では9秒92で優勝した。37歳になったが健在ぶりを十二分に見せつけている。

そしてアカニ・シンビネ(25=南アフリカ)は上海大会で9秒92の今季世界5位をマークし、ライルズ、コールマンに続いて3位に入った選手。7月9日のスイス・ルツェルンの大会には10秒06で優勝し、桐生には0秒15差をつけた。

ライルズとオドゥドゥルの初対決が最大注目点のモナコ大会男子100mだが、日本勢との今季の対戦がある3選手も出場し興味深いレースとなる。

◆ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する単日、または2日間開催では最高カテゴリーの競技会シリーズ。2010年に発足し、2016年までは年間総合ポイントで各種目のツアーチャンピオンを決定していた。2017年からシステムが変更され、ファイナル大会出場者を決めるクオリファイリング大会として12大会を実施し、16種目ずつを行うファイナル2大会の優勝者がダイヤモンドリーグ(年間)優勝者となるチャンピオンシップ形式になった。

各クオリファイリング大会の種目別賞金は3万ドル(1位1万ドル~8位1000ドル)で、各種目は年間4~6大会で実施される。各大会のポイント(1位8点~8位1点)合計の上位選手がファイナル大会に進出(種目によって異なり7人または8人、または12人)。ファイナル大会の種目別賞金は10万ドル(1位5万ドル~8位2000ドル)で、年間優勝者には賞金5万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈されるのに加え、今年9月開幕の世界陸上への出場権が与えられる。ほとんどの種目が予選なしの一発決勝で行われるため、緊張感あるレースがスピーディーに続く。また、オリンピックや世界陸上のように1種目3人という国ごとの出場人数制限がないため、ジャマイカ、アメリカ勢がそろう短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目など、五輪&世界陸上よりレベルが高くなるケースもある。