心機一転-。新色スパイクで好記録の連発を狙う。

陸上の富士北麓ワールドトライアルを翌日に控えた31日、飯塚翔太(28=ミズノ)は会場の山梨・富士北麓公園陸上競技場で調整。その履いていたスパイクは従来の青から白と赤にカラーチェンジされていた。200メートルで2レースに挑む飯塚は「気持ちが入れ替わります。再スタートで気持ちも高まります」と笑顔。4月のアジア選手権直前には急性虫垂炎で入院、6月の日本選手権200メートル予選ではレース中に肉離れなど今季は苦難の連続だった。スパイクと同じく、真っさらな気持ちに心機一転。負の連鎖は断ち切る。

狙うは20年東京オリンピック(五輪)の参加標準記録20秒24の突破だ。会場は標高約1000メートルと空気抵抗が下がるためタイムが出やすいとされる。飯塚も「(空気が)軽い」と好感触だ。17日のナイトゲームズ福井では、スピード練習が十分でない中、20秒39をマーク。今秋の世界選手権(ドーハ)の参加標準記録をクリアした。もう日本選手権で痛めた右太もも裏も完治に近い状態で、スピード練習も積めている。調子は間違いなく、前回より上。好記録を狙える感触がある。

もちろん世界選手権の200メートル代表入りも諦めない。現在は事実上、残り1枠を山下潤、白石黄良々と争っている。国際陸連のランキングは飯塚が一番下で、最も不利な立場なことは間違いない。「首の皮はつながっている。何とかしがみついているイメージ」と言う。とはいえ、今回2レースとも好記録を並べれば、逆転で代表の座を勝ち取れる可能性はある。1レース目のウオームアップレースからエンジン全開で挑むつもりだ。

また今回の記録会は世界選手権の400メートルリレーの代表入りの最終テストでもある。しっかりと力を証明したい。