今回の陸上世界選手権(27日開幕、ドーハ)においても、男子400メートルリレーの日本代表はメダルが期待できる。

16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)は山県亮太、飯塚翔太、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥の4人がつなぎ、37秒60で銀メダル。17年世界選手権は多田修平、飯塚、桐生、藤光謙司の編成で38秒04の銅メダル。今回も、世界大会で3大会連続メダルが狙えるメンバーが控えている。

7月21日にロンドンで行われたダイヤモンドリーグでは、多田、小池祐貴、桐生、白石黄良々の走順で日本歴代3位となる37秒78の好タイムをたたきだした。400メートルリレーは実施する競技会が少ないこともあるが、今季世界ランク2位(9月13日現在)でもある。

世界選手権では、さらにメンバーを充実させる見込みだ。エースになるのは、100メートル9秒97の日本記録を持ち、6月の日本選手権で200メートルを含む2年連続2冠を達成したサニブラウン・ハキーム。ダイヤモンドリーグでアンカーを務める予定だったが、太もも裏と背筋の痛みで回避。いまだに日本代表としてリレーに加わったことがなく、世界選手権が最初の融合機会になる。

9月7日に山梨県富士吉田市で行われたリレー代表合宿で、走順は明らかになった。日本陸連の土江寛裕五輪強化コーチの話を総合すると、1走小池、2走白石、3走桐生、4走サニブラウンが有力だ。

サニブラウンは100メートルと200メートルの代表に内定していたが、個人種目は100メートルに専念することが決まった。東京五輪へ向けて過度な負荷がかかることを避けた。このため世界選手権では、100メートルの準決勝と決勝が行われる9月28日から、10月4日の400メートルリレー予選まで中5日。疲労を抜きつつ、バトンパスを合わせる時間を設けることができる。アンカーなら、バトンは受け取るだけで負担も少ない。

このままケガ人が出なければ、サニブラウン、桐生、小池と9秒台スプリンター3人を擁するオーダーになる。万が一に備え、多田、ケンブリッジも補欠として控える。最終目標は20年東京五輪での金メダルだが、1年前倒しで達成できる可能性も秘めている。