陸上女子短距離で6月の日本選手権100メートルを高校生としては29年ぶりに制した御家瀬緑(北海道・恵庭北3年)が来年4月から住友電工に入社することが決まった。

15日に同社が内定を発表した。御家瀬は今季の日本女子最速11秒46を記録した次世代のホープ。住友電工には同じ北海道出身で今季100メートル男子で日本人3人目の9秒台を記録した小池祐貴(24)も所属。道産子スプリンターが関西の有力実業団で将来の五輪出場を目指す。

御家瀬は札幌市出身の18歳。札幌太平南小6年時に走り幅跳びで全国制覇したが、100メートルでは高校に入るまで全国大会での優勝はなかった。小学5年から100メートル、200メートルの日本記録を持つ福島千里(31)、100メートル障害の同記録保持者の寺田明日香(29)らを指導した北海道ハイテクACの中村宏之監督(73)に師事し才能を育んだ。

高校入学時に12秒18だった100メートルの自己ベストは、3年間で高校歴代2位の11秒46まで縮めた。2年時には日本選手権4位で、昨年のアジア大会には日本代表として400メートルリレーに出場。3年になった今年6月には日本選手権を制し、高校総体では史上9人目の連覇を果たした。

今季出場した大会ではシニアも含めて日本勢に負けなし。日本代表の女子リレーヘッドコーチを務める瀧谷賢司氏(62)は「トータル的な体力に加え、修正できる総合力がある。なかなか高校生にはできない」と評価する。今季は9月の国体、10月のU18日本選手権をコンディション不良で欠場し、目標に掲げていたロンドン五輪日本代表・土井杏南(24)の日本高校記録更新こそならなかったが、次のステージであこがれの福島の持つ11秒21の日本記録更新を目指す。

 

◆御家瀬緑(みかせ・みどり)2001年(平13)6月2日、札幌市生まれ。札幌太平南小2年で競技を始め、6年の全国小学走り幅跳び優勝。札幌太平中3年のジュニア五輪6位。恵庭北では1年時の国体少年女子B優勝、U18日本選手権優勝。全国総体を制した2年時は日本選手権4位でアジア大会400メートルリレー日本代表。100メートルの自己記録は11秒54。家族は両親と兄、姉。161センチ、51キロ。