第96回箱根駅伝の区間エントリーが29日に決まった。上位を狙う強豪では、2年ぶりの総合優勝を狙う青学大が2区のエース区間に、1年生の岸本大紀を抜てきした。

総合連覇を狙う東海大は主力を控えに回すなど、他校の出方をうかがう動き。本番前から、戦国駅伝といわれる今季にふさわしい戦いが始まった。

   ◇   ◇   ◇

異例の起用だった。箱根は区間距離や期待値など、他の駅伝とは大きく違う。いくら10月の出雲2区で区間賞に輝いたとはいえ岸本は箱根デビューだ。しかし、原晋監督(52)は「過去に一色、神野、久保田といったエースがいたが、岸本は歴代で1番」と、実力に太鼓判を押す。

21日に最後の追い込みで2本の5キロ走を行った。そこで左足小指の横に痛みを訴えたという。原監督は「疲労骨折なら、全てが終わりだった」という。しかし、事なきを得て、はりやきゅうで痛みを散らし現在は順調に回復中。走れなかった3日間は気がかりだが、大事には至らなかった。

今季の青学大は、飛び抜けたエースがいるわけではない。原監督も「今回は全区間3位以内。それで総合優勝を狙う」と言う。それでも、往路の国学院大には「2分差」、東洋大には「1分差」をつけられても「復路で逆転できる」。優勝候補の筆頭で昨年の覇者・東海大には「できればリードして往路を終えたい」(いずれも原監督)。

青学大の2区をルーキーが走るのは異例だ。令和初の箱根。恒例の作戦名は「やっぱり大作戦」。やっぱり青学は強い、と言わせることができるかどうかも含め、覇権奪回に2区の岸本の出来が大きく関わる。