「花の2区」は青学大の「スーパー1年生」岸本大紀(新潟・三条)がトップで第2中継所に入った。日本人の1年生では初めて1時間7分(3秒)台で走った。早大、東海大、国学院大が続いた。

14位でスタートした東洋大の学生最強ランナー相沢晃(4年=福島・学法石川)は1時間5分57秒の衝撃タイム。09年に山梨学院大のモグスがたたき出した1時間6分4秒を抜く、区間新記録を樹立した。1区で2年連続区間賞の西山和弥(3年=群馬・東農大二)が出遅れたことによる逆境が力を呼び起こし、7人抜きで7位に浮上させた。

2区のレース全体としては、まず創価大のムイル(4年=ケニア・ムンゲソ)が1位でたすきを受けた。序盤は7校が先頭集団を形成。国学院大・土方英和(4年=埼玉栄)東海大・塩沢稀夕(3年=滋賀・伊賀白鳳)に、青学大の岸本らがレースを引っ張った。

9キロ過ぎで日体大の山口和也(4年=広島・世羅)が遅れて6校で権太坂へ突入。15キロ手前で中央学院大・川村悠登(4年=千葉・中央学院)がついていけなくなり、15・9キロで早大は主将の太田智樹(4年=静岡・浜松日体)が初めて先頭に立った。昨年は2区で18位に転落する大ブレーキのリベンジを走りに込めた。

しかし、最後は1年生が抜け出した。足をためていた青学大の岸本がラストスパート。原晋監督から「(1時間)6分台が出るぞ」と声をかけられながら快走した。東海大の伊達秀晃が持っていた日本人1年生の記録1時間8分4秒を1分1秒も更新する走りで、2区に抜てきされた期待に大きく応えた。

その後は早大、東海大、国学院大、帝京大、創価大の順に中継所へ。東洋大の相沢は14位から7位まで順位を上げてフィニッシュした。13位から発進していたライバル、東京国際大の伊藤達彦(4年=静岡・浜松商)も1時間6分18秒(日本人歴代2位)でチームを8位へ。相沢にとって、伊藤とのデッドヒートも大記録の大きな要因となった。

◆岸本大紀(きしもと・ひろのり)2000年(平12)10月7日、新潟県燕市市生まれ。兄の影響で小2から陸上を始める。出雲駅伝は2区区間賞、全日本は2区区間5位。自己記録は5000メートルが14分6秒97、1万メートルが28分32秒。高3時の全国高校総体は5000メートルで予選落ち。試合前のリラックスは人気K-POP女性アイドルグループ「TWICE」の曲を聞くこと。172センチ、51キロ。