国学院大のエース浦野雄平(4年)は、芦ノ湖畔の芝生に座り込むと両手で頭を抱え込んだ。「悔しい。チームを勝たせたかった…」。5区の山登り。昨年、自らマークした区間記録を9秒更新する1時間10分45秒で走ったが区間3位。青学大・飯田をつかまえられず2位に終わり、目標だった往路優勝に届かなかった。

1分28秒差の3位でタスキを受けた。本格的な登りが始まってギアを上げ、残り8・9キロの小涌園で20秒近く縮めたが、そこで右ふくらはぎに軽いけいれんが起きた。最後の下りでは追う足が残っていなかった。

昨年は2区を希望し、何の用意もなしに5区を走ったが3人抜きの区間新。チームの3位躍進の原動力になった。今年は納得の上で背筋を鍛え、体全体の柔軟性を養うなど十分な準備を積んできた。「スタート後に発汗量が多かったのが想定外でした」。2区の土方主将ら4人が優勝圏でタスキをつないだ分、勝利への見えない重圧がエースを微妙に狂わせていた。

「浦野は去年の自分に勝ったし、5人が力を出し切った素晴らしいレース。青学さんが強かった」と前田監督。歓喜のテープは切れなかったが、昨年の記録を6分26秒も上回った。流れは悪くない。総合3位を目指して復路に挑む。【小堀泰男】