関東学生連合で主将を務めた岩手・滝沢市出身の阿部飛雄馬(4年=盛岡一)が10区を走り、東大生としてはチームで出場した84年を除く、3人目の箱根ランナーとなった。1時間15分26秒で区間最下位(参考記録)だったが、胸を張り両手を広げてゴール。沿道からは「東大~」「飛雄馬~」などの声援も浴び「テレビで見ていたものと、実際に走ったのは違う。すごいなと思った。一生の宝物」。悔しさと周囲への感謝が入り交じった涙を流した。

3歳の頃に、山形南で甲子園出場の父孝さんや兄らと親子マラソンに出場して、走る喜びを知った。学力でも最高峰の大学をあえて選んで1浪で入学。文武両道で箱根の夢をかなえた。今後は大学院に進学するが、次の夢も決まっている。「勉強と両立したことに意味があった。今後はフルタイムで働きながら競技にも集中することが魅力。川内優輝さんのような市民ランナーの星になりたいです」。マジックで「夢」と書いた左腕で気持ち良さそうに汗を拭いた。【鎌田直秀】