スポーツ用品大手ナイキの「厚底シューズ」を巡り、規制の是非を議論してきたワールドアスレチックス(世界陸連)は1月31日、靴底の厚さは4センチ以下、反発力を生む埋め込みのプレートは1枚まで、などの新ルールを発表した。

マラソンの世界記録や日本記録を塗り替えたトップ選手の使用で注目を浴びていた。現在流通しているタイプは条件を満たし、東京五輪や代表選考レースで着用できる。

4月30日以降は大会前に4カ月以上市販されていることが条件で、店舗やインターネットで購入できない靴は特注品として禁じる。男子マラソンの世界記録保持者、エリウド・キプチョゲ(ケニア)が昨年の特別レースで履き、記録非公認ながら史上初めて2時間を切った未発売のものはプレートが3枚入っているとされ、使用できない。

ナイキの「ヴェイパーフライ」シリーズは厚い靴底に炭素繊維のプレートを挟み込み、高いクッション性と反発力を売りにしている。2017年の一般発売時には従来品と比べて走りの効率が4%向上するとアピール。18年に設楽悠太(ホンダ)、大迫傑(ナイキ)が男子マラソンの日本記録を更新するなど好結果が相次いだ。トップ選手には「薄底」が主流だった長距離界の常識を覆して箱根駅伝などでも大半が履き、市民ランナーにも急速に浸透した。

世界陸連は専門家で構成する作業部会を今後設置して新技術の検証や新製品の検査を実施する。コー会長は「靴が不公平な助力や利益を生まないようにし、競技を守ることは責務だ。五輪イヤーに入り、一般に流通する靴は排除できないが(ルールの)線引きはできる」と述べた。(共同)