東京五輪マラソン日本代表選考は残り1枠を懸けた争いの最中で、3月にも男女それぞれ対象レースが控えている。これまで多くの選手がナイキの「厚底」で走っており、公平性は保たれる形となった。

日本郵政グループの高橋昌彦監督が「へたすると1キロあたり5秒変わる」と話すなど、厚底シューズの“推進力”を認める関係者は少なくない。禁じられていれば、走った時期によって有利不利が生まれかねない状況だった。

履きこなすまでに時間を要した選手もいる。昨年9月の代表選考レース後に導入した男子の井上大仁を指導するMHPSの黒木純監督は「(従来の靴とは)厚さの感覚が違って、そこに慣れるか慣れないか」と語っていた。大一番を前に、感覚の再調整を強いられる事態も避けられた。

世界陸連のコー会長は五輪まで時間が短いことを理由に「一般に流通する靴は排除できない」と述べた。今後、ルールを厳しくする必要が生じる可能性にも言及しており、競技規則が禁じる「不公平となる助力や利益」を巡る議論は続きそうだ。(共同)