1月の箱根駅伝で2年連続区間賞を獲得した東海大の小松陽平(22=札幌市出身)がオリンピック(五輪)出場へ、壮大な青写真を描いた。

大学卒業後の4月からはプレス工業(神奈川)で競技を続ける。実業団ランナーとして、まずは元日の全日本実業団対抗駅伝でチームに貢献。個人では24年パリ大会は1万メートル、28年ロサンゼルス大会はフルマラソンでの五輪2大会連続出場を目標に掲げた。

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今春、東海大を卒業する小松が五輪プランを打ち明けた。2年連続区間賞を獲得した箱根駅伝から約1カ月。「実業団で力をつけることが前提」と強調した上で、将来展望を語った。

小松 長距離選手であるからには、最終的にはマラソンに挑戦するべきだと思っている。8年後は30歳。(28年)ロサンゼルス五輪はマラソンで目指したい。

20年東京大会のマラソン代表の中村匠吾ら、箱根路を沸かせたランナーが日本長距離界の中心にいる。2日の別府大分毎日マラソンでは青学大4年の吉田祐也が初マラソン日本歴代2位の記録で3位に入るなど、将来の五輪代表争いはすでに始まっているが、あせりはない。高速化に対応するためにも「スピードが必要。今後はそれを身につけていかないといけない」。自らに足りないものを自覚し、まずはトラックで記録を追い求める。

4月からプレス工業に進む。上岡宏次監督(42)にとって初の大学後輩加入。4年前に当時1年生の小松を走りを見て「将来絶対に強くなる」と直感したという。元日の全日本実業団駅伝34位に沈んだチームにとって「1年目から即戦力。駅伝ではエース区間や外国人区間での活躍を期待している」。小松も「(全日本実業団で)最高順位(21位更新)を目指したい。チームの顔になれるように頑張りたい」と意欲満々で、12日からは同社の奄美大島合宿に参加する。

総合優勝してMVPに輝いた19年と今年の2年連続の箱根に加え、クロスカントリー世界選手権日本代表も経験。大学4年間を「あっという間だった」と表現したのは、4年後、8年後の五輪が遠い未来のことではないからだ。「箱根がゴールになってはいけない」。24年パリ大会1万メートル経由で、28年ロサンゼルス大会のマラソンへ。小松は、思い描く未来に向けて走り続ける。【浅水友輝】

◆マラソン五輪代表と箱根駅伝 00年以降の五輪5大会の男子日本代表は15人。高校卒業後に実業団に進んだ3人を除き、12人が箱根駅伝で活躍した。東京五輪代表の中村匠吾、服部勇馬も箱根を経験。東海大出身者では4年時に2区を走った諏訪利成が04年アテネ大会に出場している。

◆小松陽平(こまつ・ようへい)1997年(平9)11月2日、札幌市生まれ。札幌小野幌小3年から札幌厚別中まではバスケットボール(位置はシューティングガード)に打ち込んだ。東海大四高2、3年の総体1500メートル、5000メートル出場。箱根駅伝は3、4年ともに8区で2年連続区間賞。自己記録は5000メートル13分57秒46、1万メートル28分35秒63。母の半熟卵オムライスが好物。家族は両親と兄弟。172センチ、53キロ。血液型はO。