陸上女子短距離のホープ、御家瀬緑(恵庭北3年)が東京オリンピック(五輪)への思いを口にした。13日、札幌市内で行われた札幌市民スポーツ賞贈呈式に出席した。

日本選手権100メートルの高校生女王は、今春から実業団の住友電工入り。東京五輪を目指す女子400メートルリレー日本代表候補メンバーで、5月の競技会で12年ロンドン以来となる2大会ぶりの出場権獲得を目指す。

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可能性はゼロじゃない。御家瀬が19歳で迎える東京五輪への意欲を語った。昨年12月に日本連盟から発表された女子リレー代表候補8人に名を連ねる。「すごくうれしい。チャンスをいただけたので、自分ができることをやっていきたい」。4月に住友電工入り。新しい環境で始まる五輪シーズンに期待を膨らませた。

ひと回り大きくなって挑む。18年アジア大会(ジャカルタ)で、日の丸を背負い400メートルリレーに出場(5位)。チームの他のシニア選手たちとの差を痛感した。悔しさもあり「まずは個人の力を伸ばしたい」と、その後のリレー選考会を回避。昨年6月の日本選手権で29年ぶりの高校生優勝を果たし、今度はトップランナーとして代表を目指す。

日本は女子リレーでまだ東京五輪の出場権を得ていない。3月に候補選手による合宿を行う。御家瀬自身は右足甲の痛みのため参加は未定だが、4月の織田記念などの成績で絞られたメンバーが5月の2大会で出場条件のクリアを狙う。御家瀬は「まずは日本代表として出場権を取ることを目指したい」と言う。

現在は恵庭北の後輩たちに交じり練習を続け、上半身を中心とした体作りに励んでいる。この日は札幌市内で札幌市民スポーツ賞贈呈式に出席し、成績優秀部門で受賞した。3月の卒業式後に拠点を東京に移して本格始動する。「いよいよ始まるんだなという感覚。ワクワクした気持ちはある」。五輪イヤーを全力で駆け抜ける。【西塚祐司】

◆女子リレー日本代表の東京五輪への道 出場枠は16カ国。今年6月末時点で昨秋の世界陸上決勝進出8チームを除いた世界ランク8位以内のタイムが条件。日本連盟のプランでは5月5、6日の五輪テスト大会「READY STEADY TOKYO」、同10日のセイコーゴールデングランプリ東京(ともに東京・国立競技場)の2大会で条件クリアを狙う。