陸上の日本選手権(6月25日~28日、大阪・ヤンマースタジアム長居)について、日本陸連が今秋の延期で最終調整に入ったことが2日、分かった。関係各所と協議を進め、近日中に発表される見込み。新たな開催場所は未定という。

春に予定されていた大会は織田記念国際(4月29日、広島)やセイコーゴールデングランプリ東京(5月10日、国立競技場)など多くが中止や延期となった。新型コロナウイルスの終息が見通せないだけでなく、日本選手権の出場に必要な記録をクリアする機会が失われていた。練習環境が制限されている選手もおり、実戦感覚を含め6月下旬ではトップコンディションを作れないとの声もあった。日本陸連の麻場一徳強化委員長(59)は「6月に選手が本当にパフォーマンスを出せるのか。それは選手に負担をかけることになる」と懸念していた。

今年の日本選手権は東京五輪の最終選考会とされていたが、五輪が1年後にスライドしたことで、そうはならない見込み。麻場強化委員長も「来年(五輪)の選考は外さざるをえないと思う」との私見を表明し、各種目の強化スタッフとの協議を進めていた。

日本選手権は01年以降、6月に開催されている。秋の開催は97年~00年などの前例がある。