全国高校総体(インターハイ)の中止が決まったことを受け、陸上男子100メートルの前日本記録保持者の桐生祥秀(24=日本生命)が26日、ツイッターを更新した。

全国中学校体育大会(全中)も中止の方針となっている。「みんなで乗り越えよう」と記し、長文を投稿した。

「全中がなくなりインターがなくなり 今の中高生になんて声をかけたら元気が出るのだろうか。中学生にはインターハイがあるから頑張ろう、高校生にはインカレや日本代表があるから頑張ろう、と俺は安易に言えない。なぜなら自分は全中やインターハイに出ているから」

桐生は滋賀・彦根市立南中3年時には全中の200メートル決勝では2位。当時・修善寺中(静岡)の日吉克実さん(元中大)に0秒43の大差をつけられた。その悔しさを胸に成長をした。京都・洛南3年時のインターハイでは100メートル、200メートル、400メートルリレーの3冠を達成した。それから日本人初の100メートル9秒台など日本のトップスプリンターに飛躍していった。

「全国の舞台を本気で狙っていた中学生の自分、高校生の自分はこれらの大会に全てをかけていた。大きい目標は大事だけど、目の前の目標も大事。その時、夢中になるのが最高に好きだったから。その時その時思い切り走って練習したからこそ、今の自分がある」

そして「今はつらくてどうしたら良いか悩んだり、泣いたりしている人もいるかと思います」とつづり、「自分に今できることはみんなの目標になること、コロナがおさまり大会が開始した時に元気な姿をみんなに見せることが自分のやることだと思っています。お互い前向きに行きましょう」とした。