「#陸上珍プレー選手権」。このハッシュタグを記し、動画や画像をツイッターに投稿するのが、ちょっと注目を集めている。

文字通り、プロ野球の「珍プレー好プレー」の番組のごとく、陸上の競技中に起こった、ちょっと笑えるハプニングなどを公開するもの。多くの人が一生懸命やっているからこそ、自らに“笑いの神”が降臨した姿をアップしている。

男子3段跳びで、16メートル14の自己ベストを持つ黒田寛亮(日立ICT)は「ジャンプミスって咄嗟(とっさ)の四段跳び」とし、最後の着地で勢い余って、そのまま砂場で前宙をする動画をツイート。この動画は5万4000回以上も再生されている。

他にも400メートルリレーでトップを狙える爆走をしてきたのに、バトンを渡すアンカーがまさかの不在でぼうぜんと周りを見渡す姿や、100メートルで他の人が走っていくのに、1人だけ号砲に反応できず、哀愁感を漂わせる動画などが多く再生されている。

企画したのは「歌うマラソンジャンパーやっくん」の名前で、ユーチューブなどで活動する中谷靖宏さん(24)。いいね数が多かった5人と、審査員が選んだ5人が“決勝”へ進み、その中から、中谷さんら審査員が、もっとも面白い動画を決めるというルールだ。上位3人には景品も贈られる予定だ。

企画の経緯について、中谷さんは「僕が大学3年生の時に、10種競技の棒高跳びに出場した動画を改めて見たら、自分で大笑いしたんです。プロ野球では珍プレーがテレビでも特集されますが、そういうものが、陸上ではないなと思いました。今は新型コロナウイルスの影響で、暗いニュースばかり。なので陸上を通じ、みんなが少しでも笑顔なればと思い、始めさせていただきました」と説明した。

ちなみに3段跳びを得意とする中谷さんは、埼玉・鴻巣高時代に高校総体に出場。大東文化大4年時の17年関東学生陸上競技対校選手権(関東インカレ)の2部では15メートル25をマークし、3位に入った経歴も持っている。現在は会社員をしながら、地域の大会にも出場している。中谷さんは「スポーツの楽しさを伝えていきたい」と話す。

また日本陸連もツイッターで陸上に関連する写真のコンテストを実施中。こちらは「#陸上フォトコン」のハッシュタグで行われている。最優秀賞や優秀賞に選ばれた投稿者には、日本陸連からグッズがプレゼントされ、こちらもツイッターのタイムラインを彩っている。【上田悠太】