日本記録が大連発され、話題となった、あの大会が今年も開かれる。福井陸協は22日、「ナイトゲームズ・イン福井」を予定通り8月29日に行うと発表した。

新型コロナウイルスの影響で、開催が危ぶまれていたが、日本陸連が発表した競技会再開のガイドラインに従い、感染予防を徹底し、開催するという。

第1回の昨年に続き、男子100メートルで桐生祥秀(24=日本生命)が日本人初の9秒台を出した場所としても知られる福井県営陸上競技場が舞台。「9・98スタジアム」との愛称も付く地は、夏から秋の夕刻にかけては、適度な追い風がスタジアムを吹き抜けることが多い。それを同県の関係者が「狂ったような競技場」と表現するほど、絶好のコンディションが生まれる。

昨年は男子走り幅跳びで、橋岡優輝(21=日大)が8メートル32(追い風1・6メートル)の跳躍で、27年ぶりに日本記録を7センチ更新した。その快挙のわずか40分後には城山正太郎(25=ゼンリン)が五輪金メダル級の8メートル40(追い風1・5メートル)の大ジャンプで、度肝を抜いた。男子110メートル障害では高山峻野(25=ゼンリン)が自身の日本記録を0秒05更新する13秒25(追い風1・1メートル)をマーク。女子100メートル障害の寺田明日香(30=パソナグループ)も当時の日本記録に並ぶ13秒00(追い風1・4メートル)を出していた。男子100メートルや200メートルなど他の種目も軒並み好記録が続いた。もともと賞金や運営費などをクラウドファンディングで募る大会として注目されていたが、それ以上の超記録ラッシュで話題をさらった。まさに「伝説の夜」だった。

東京オリンピック(五輪)の参加資格や世界ランキングにはならないが、日本記録には公認される。10月1日~3日の日本選手権(新潟)を前に、多くのトップ選手が参戦する可能性は高い。また、とんでもない記録が“爆誕”するかもしれない。