16年リオデジャネイロ五輪の陸上男子400メートルリレー銀メダリストの飯塚翔太(29=ミズノ)が今季初戦となる200メートル予選に出場し、20秒70(向かい風0・5メートル)で1着だった。決勝は予定通りに棄権した。

大会新記録ではあるが、飯塚にとっては平凡なタイム。中盤は合格点も、スタートではキレを欠いていたという。オンラインで取材に応じた飯塚は「まずはレースに出られてよかった。感覚にしてはタイムはまずまず」と話した。

実戦でしか味わえない雰囲気がある。個人種目では昨年9月以来の久々のレースにスイッチが入った様子。ここは生まれ育った静岡でもある。飯塚は「感覚が鋭くなった。血が巡っているような感じ」と語った。明日2日にも100メートルに挑む。

指導する豊田コーチも「もう1度ギアを上げられる状態で20秒70。まだまだタイムを縮められる」と話した。

8月23日に国立競技場で開催されるセイコー・ゴールデングランプリにも出場予定。飯塚は「20秒24をイメージできるレースをしたい」と言う。

11月末までは東京五輪の参加資格に関係ないが、来季は東京オリンピック(五輪)の参加標準記録20秒24を、まずは突破する必要がある。その先には東京五輪の決勝進出を見据える。

昨季は急性虫垂炎、日本選手権での肉離れなど苦難が続いたが、もう負の連鎖は断ち切る。来季への弾みとなるシーズンとしていきたい。