男子競歩で切磋琢磨(せっさたくま)してきた2人が今春、そろって旭化成入りし、開幕まで100日を切った東京オリンピック(五輪)へ、ともに歩む。表彰台を期待される50キロ代表の川野将虎(まさとら、22=静岡県小山町出身、御殿場南高出)と、20キロ代表の池田向希(こうき、22=同浜松市出身、浜松日体高出)。母校の東洋大を拠点に川野はスピード、池田はスタミナの強化を一緒の練習で図る。「いい部分を吸収し合えるような取り組みをしていきたい」(池田)と思い描く。

抜きつ抜かれつ、高め合ってきた。静岡県内で過ごした高校時代は、川野が全国の舞台で活躍。実績の乏しかった池田は大学へマネジャー兼務で進んだが、誰より早く起きて体を動かすなどひた向きに努力を積み重ね、2018年の世界競歩チーム選手権で優勝した。

立場を逆転された川野は「完全に取り残されてしまった」と気落ちもしたが、酒井瑞穂コーチに「成長スピードが違う」と励まされて立ち直り、最後までぶれないフォームづくりに着手。筋量は4年間で5キロほど増加したという。「今度は自分が」と19年10月に五輪切符を先に手にし、日本記録も更新してみせた。

新型コロナウイルス禍の自粛期間には、そろってヨガを始めて柔軟性やバランスを整え、昨夏には五輪が実施されるはずの日時に、札幌と気候の似た福島県猪苗代町で“仮想五輪”を実施。暑熱対策の課題をしっかり持ち帰った。大学の寮では同部屋で、同じ企業を選んだ2人を「本当にいい関係」と池田は照れずに語る。五輪での活躍は、酒井コーチらへの「恩返し」と口をそろえた。