20年日本選手権で予選落ちとなった北村夢(25=エディオン)が、全体1着で復調を印象づけた。

タイムレース2組に出場し、2分3秒05を記録。終盤、全体2位となった田中希実(豊田自動織機TC)の猛追を受けたが「後ろから希実ちゃんの足跡が聞こえて『とにかく逃げなきゃいけない』と思った。ラストの100メートルは、あんまり覚えていないです。勝ちきるのを目標にしていました」と笑顔を見せた。

17、18年と800メートルで2連覇。他をけん引する存在だったが、20年夏に右太ももを肉離れするなど苦しんだ。それでも21年に入ってから「しっかりと走り込めていました」と手応えが生まれてきたという。

東京オリンピック(五輪)の参加標準記録は1分59秒50。自己記録2分0秒92を上回るタイムを求められる。

「あまり『タイムを出そう、出そう』っていう意識はせずに、自分の走りと気持ちをかみ合わせていけば、自然と出るんじゃないかなと考えています。あんまり意識しすぎないようにします」

冷静に自分と向き合い、1歩ずつ進んでいく。