男子3000メートル障害で日本記録を樹立した三浦龍司(19=順大)が専門外種目でも格の違いを見せつけて、予選を3分46秒29の2組1着通過した。

ずっと前から3、4番手付近でレースを進めていた。余力たっぷりで最後のコーナーに入った。残り150メートルで一気にギアチェンジ。いとも簡単に集団を引き離して、楽々とフィニッシュラインを先頭で駆け抜けた。

思い描いたプラン通りの走りで自己新。順大2年生は「勝負勘、1500メートルのレース勘もつかみたかった。納得しています」と振り返った。今大会は大学対抗戦でもあり、1500メートルで順大のポイント獲得や、「スピード持久力を高める」狙いで出場した。5000メートルにもエントリーしている。

9日の東京オリンピック(五輪)テスト大会の男子3000メートル障害では8分17秒46の日本新をマークした。東京五輪の参加標準記録も突破し、「オリンピックへ向けた気持ちも高まった」。前日本記録保持者の岩水嘉孝さんからも「おめでとう」と祝福されたという。

その歴史を塗り替えたレースでは、淡々と顔が険しくならないままラストスパートをしていた。その姿に、女子長距離の新谷仁美(33=積水化学)は「長距離の選手は顔がゆがんじゃうじゃないですか。でも(三浦は)顔が無表情のまま」と、少しうらやんでいた。それを伝えられると、三浦は「周りの人にも(顔が変わらないことを)言われるのですけど、キツいんです」と苦笑いだった。

ちなみに、この日のレースも最後の直線を“無表情”のまま走り続けていた。