数々の苦悩を乗り越えた。自己記録10秒00の山県亮太(28=セイコー)がついに挑み続けてきた「10秒の壁」を突破した。決勝で追い風2・0メートルの条件下、日本新となる9秒95で優勝した。桐生祥秀(25)、サニブラウン・ハキーム(22)、小池祐貴(25)に続き、日本人では史上4人目の9秒台スプリンターになった。

▼山県のコメント 記録を出したいと思っていたのでひとまず良かったです。9秒台を突破したかったので、肩の荷が下りました。いつも近くにチームメートがいる。しんどいときに支えになってくれた。(24日開幕の)日本選手権(大阪)では、3位以内に入って五輪切符を勝ち取りたい。勝負はオリンピック。そこで勝負したい。

◆山県亮太(やまがた・りょうた)1992年(平4)6月10日、広島市生まれ。修道中、高から慶大を経て、15年にセイコー入社。16年リオデジャネイロ五輪では、男子100メートルで2大会連続で準決勝に進出し、男子400メートルリレーは第1走者で銀メダルに貢献。18年ジャカルタ・アジア大会決勝では10秒00を出し、銅メダル。趣味は釣り。177センチ。