2年ぶり5度目の往路優勝に輝いた青学大の原晋監督は「理想の(中でも)最上位の展開になった」と大喜びだった。

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当初は「東京国際、駒大さんが抜けて、追う展開になると予想していた」と、2連覇を狙う駒大、ヴィンセントを擁する東京国際大の後につけると考えていたようだ。しかし、「前が見える3区で先頭に立つことができた。素晴らしい」と、1時間1分の区間2位で好走し、トップに躍り出た1年生の太田蒼生をたたえた。

また、5区の山登りには、これまた1年生の若林宏樹を起用。若林も1時間10分46秒の区間3位と、しっかりと走り、原監督は「若の神。来年は区間賞で山の神を目指してほしい」と絶賛だ。

往路優勝に貢献した2人の1年生は「青学大には成長できるメソッドがあり、それを1年生から体感してくれた」と、原監督は強化策がしっかりとはまったことが勝因と分析。「故障なく夏を乗り切って、素晴らしい1年生の2人にありがとう」と、感謝を伝えた。

5区には、主将の飯田貴之(4年)を使う予定もあったが、「若林を山登りで使えるめどが立った」(原監督)。そのため、飯田を4区に回すことが出来、ますます往路の層が厚くなった。

復路は「瀬古さんに山登りの名人は、降りるときは慎重に降りると言われた。気を引き締めて、まずは(6区の)高橋(勇輝)から勝負をしていきたい」と慎重。それでも、5つの区間で区間賞がなく往路優勝を遂げたことで「各大学さんがでこぼこになったところ、安定した走りができた。往路、復路、完全優勝で6度目の総合優勝を目指していきたい」と、17年の93回大会以来の完全優勝に自信を深めていた。

◆青学大と1年生 青学大は過去5回優勝しているが、その時に出場した1年生は3人しかいない。15年4区で、田村和希が区間新の快走で初優勝に貢献。16年の復路6区で、小野田勇次が区間2位の活躍で総合連覇に貢献。20年には岸本大紀が青学大史上初めて1年生で2区を任された。1時間7分3秒の好記録で6人抜きし、5時間21分16秒の新記録による往路優勝に勢いを与えた。ただ過去5回の全50区間で3人のみ。今回の往路5区間だけで2人の1年生の活躍。強豪校の激しい争いの中だけに、いかに偉業かが分かる。