男子やり投げは、12年ロンドン五輪10位のディーン元気(30=ミズノ)が、81メートル91で優勝した。

「今年の第1歩目をしっかり踏み出せたと思います」と手応え十分の表情。4投目に80メートル68をマークし、最後の6投目に記録を伸ばした。「まだまだ未完成だが、感触としてはまずまず。技術的にはこれからだが、記録はわりに楽についてきてくれた」と振り返った。

昨年の東京五輪出場を逃した。「五輪はほとんど見ずにいっぱい釣りしました。心を休めないといけなかったので」。約1カ月半、やりは握らず、釣りざおだけを手にして魚と格闘していたという。

2年後のパリ五輪を見据える。「ベテラン、30歳になりましたけど、やり投げの競技者としてはこれからだと思う」。経験値を積み上げ、技術を研さんしてきた。今、取り組んでいるのが「流れ」。上半身の力に頼っていたのが、助走からの「流れ」で投てきにつなげる感覚を磨いている。

今季の目標を「普通にやれば日本記録(87メートル60=89年溝口和洋)は出ると思う。ただ、そこにこだわれば力が入ってしまうだけ。結果としてついてくれば。普通に85メートルを投げられる選手になりたい」。2年後はメダルを狙える選手へ。具体的な課題をもって、突き進んでいく。【実藤健一】