陸上男子400メートル障害で東京五輪代表の黒川和樹(法大3年)が、世界選手権(7月、米オレゴン州)の参加標準記録を突破した。日本グランプリシリーズ木南記念が1日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われ、同種目を48秒90で制した。世界選手権の代表選考会でもある6月の日本選手権(大阪)で3位以内に入れば、最優先で選考される立場となった。

スクリーンに映った正式タイムを確認すると、黒川は雄たけびを上げた。タイムは参加標準ジャスト。ヘアバンドで束ねた長髪をなびかせ「アブねえ!」と笑い、何度もガッツポーズをつくった。

前半からリードを奪う得意のレース展開で、後続の追随を許さなかった。悪天候が続いていた大阪。「肌寒い気温(15度前後)でも、ラッキーなことに雨は降っていなかった。今日の朝起きたらすっきりとしていて、いけると思った」。

黒縁メガネにヘアバンドがトレードマークのハードラーは「世界陸上で入賞したい」と力強い。日本勢の同種目入賞は、05年ヘルシンキ銅メダルで法大OBの為末大氏(43)が最後。偉大な先輩に続く快挙を見据えている。【佐藤礼征】