男子1万メートルは序盤からオープン参加の2人のケニア人選手が縦長の集団を引っ張った。4000メートル付近まで世界選手権の参加標準記録27分28秒00とほぼ同じペースだったが、その後は少しずつペースが落ち始めた。

日本人選手で突破しているのは田沢廉(駒大4年)1人だけ。その田沢と1万メートルの日本記録(27分18秒75)を持つ東京五輪代表の相沢晃(旭化成)、そして同代表の伊藤達彦(ホンダ)の3強は前半は中盤を走っていたが、5000メートル手前から相沢がペースを上げ、田沢と伊藤も続き先頭集団に加わった。

6000メートルすぎからはペースはさらにダウン。日本選手たちの狙いは、世界選手権代表内定の絶対条件である「3位以内」に切り替わった。3位以内に入れば世界選手権に内定する田沢は、前に出ることなはなく、相沢の後方にピタリとつけて順位狙い。

8000メートル手前で相沢がトップに立ち、続いて伊藤、田沢と続いていたが、8800メートルすぎから田沢がズルズルと後退した。相沢がトップでゴールして2年ぶりに優勝し、2位に伊藤が入ったが、ともに参加標準記録を切ることはできず、田沢も10位に終わり、世界選手権代表内定者は出なかった。

◆世界選手権の代表選考 日本選手権1万メートルで3位以上の成績を残すことが絶対条件。参加標準記録は男子が27分28秒00で、女子が31分25秒00で有効期限は20年12月27日から22年6月26日。内定における優先順位は(1)日本選手権の順位(2)参加標準記録の突破(3)22年度に開催される国内主要競技会の成績の順となる。

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