TBSは27日、1997年(平9)から続く人気番組『SASUKE~Ninja Warrior~』の番組セットが、障害物レースのオリンピック(五輪)競技化に向けたテスト大会に使用されることになったと発表した。

同局によれば、世界160以上の国と地域で見られ、現地版も20カ国以上で制作されている世界的な人気番組。あのセットが、五輪種目の1つになるかもしれないという。

国際近代5種連合(UIPM)が五輪種目の近代5種から「馬術」を外し、新たな競技として「障害物レース」を試験導入すると発表している。

UIPMによると、障害物レースの五輪競技化にむけて積極的にこれまでロビー活動を展開してきた国際団体「World Obstacle」との共催で2種類の障害物レースをテストする予定だだという。

近代5種競技とは、1912年のストックホルム大会から実施されている競技で水泳、フェンシング、レーザーラン(射撃+ランニング)、馬術の5種目で争われる。

ただ、24年のパリ五輪後に近代5種から「馬術」を外し、新たな競技として「障害物レース」を試験導入すると発表済み。

今回のテスト大会は、これを見すえた動き。使用されるのは、実際にフランスやポーランドなど、欧州での現地版収録で使われている番組セット。使用される予定のものは、「Wall Flip」「Parallel Pipes」など4種類だという。

参加する選手の1人、ソフィア・エルナンデス選手(グアテマラ)は、「障害物レースをトライすることに興奮しているのと同時に、楽しくてクールだといいなとも期待しています。難しいのではと少し緊張もしますが面白いと思うし、参加者にとってよい機会になると思います。私は『SASUKE~Ninja Warrior~』の番組視聴者で、タフなコースをクリアする出場者にいつも感心しています」と語っているという。

今後は、複数回行われるテストを経て12月の国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で正式競技として採択されれば、2028年ロサンゼルス五輪から『SASUKE』が五輪競技になることもあるという。

◆国際近代5種連合(UIPM)クラウス・ショーマン会長 「近代5種を、オリンピック競技の中でも最も人気があり、アクセシビリティがあり、ワクワクするスポーツへと変えるため、UIPMはこれまで包括的かつ透明性のあるプロセスをとってきました。アンカラで行われるテストイベントは非常に重要なステップです。TBSとWorld Obstacleの協力を得て設定されるコースで実際に近代5種選手や障害物レースのアスリートが試すことを、私たちは楽しみにしております」

◆TBS番組プロデューサー村口太郎氏 「TBSで1997年にスタートした番組が世界中でも人気番組となり、今回、さらに大きくはばたく可能性があると聞いて興奮しております。『SASUKE』のコンセプトが近代5種競技の1種目としてオリンピックの舞台に立つことを楽しみにしています」