陸上界のニューヒロイン候補で岡山のドルーリー朱瑛里(しぇり、岡山・津山鶴山中3年)が3区で驚異的な走りを見せ、区間新記録を樹立した。

中学生離れした異次元の走りだった。中学3年のドルーリーは38位でタスキを受けると、スタートから200メートルで3人抜き、1キロでは32位まで順位を上げた。17人抜きで9分2秒の区間新記録を樹立。中学生の驚異的な記録に、有森裕子らを指導した解説の金哲彦氏も「オリンピックランナーのよう。フォームも完成に近い」と絶賛した。

「1人でも多く抜いて、岡山チームに勢いを与えようと思っていた。(高校では)インターハイに出場して良い結果を出したい」

昨夏の全日本中学校陸上競技選手権大会女子1500メートルを4分23秒79で優勝。10月のU16陸上大会も、女子1000メートルで2分45秒84の大会新記録を打ち立てるなど、スピード感あふれるランナーだ。

現在の1500メートル自己ベストは4分22秒00。凜(りん)とした走り姿で注目を浴び、昨年の中学ランキングでは、女子800メートル、1500メートルで1位に輝いた。

小学4年時に地元の津山ジュニア陸上競技教室で競技を始めた。理由は明快。「運動が好きで走るのが好きだった」から。当初から400メートル、800メートルに興味を持っていたが、同教室は短距離の練習がメイン。短距離のトレーニングに参加しながら、地元のマラソン大会に参加するなどして中長距離の訓練を積んだ。

好きが高じて徐々に頭角を現し始める。19年、6年の秋に参加した岡山県学童陸上競技大会では女子800メートルを2分26秒65をマークし、優勝。同教室で指導した佐藤俊二氏は、現在の活躍を喜び「(在籍時は)リレーにも出てたので、スピードを持ってる。それが今の距離でも生かされてるんじゃないかな」と話した。

実質的な全国デビューで都大路を力走した。

 

▽ドルーリー朱瑛里(しぇり)

◆生まれ 2007年(平19)11月16日、岡山・津山市。カナダ人の父と、日本人の母を持つ。

◆競技歴 小学4年時、地元の津山ジュニア陸上競技教室で始める。小学6年までは陸上と並行してバスケットボールにも親しんだ。同教室の佐藤氏は「バスケットボールで鍛えた体力がもともとあった。バスケでも中心的な役割だったそうです」。

◆主なタイトル 昨年の全国中学校体育大会女子1500メートルで4分23秒79を出して優勝した。2位に5秒以上の差をつける独走Vだった。同年U16陸上大会女子1000メートルは2分45秒84で優勝。1500メートルの自己ベストは4分22秒00。

◆趣味 絵を描くこと。岡山県内のコンクールで入賞したこともある。

◆身長 157センチ。

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