2021年東京五輪1万メートル代表の安藤友香(28=ワコール)が、8度目のマラソン挑戦で日本人トップの3位でフィニッシュした。タイムは2時間22分58秒(速報値)。高速レースで粘り、24年パリ・オリンピック(五輪)へ期待がふくらむ内容となった。

日本歴代7位の自己記録(2時間21分36秒)を持っていた安藤にとって、大阪は3位に入った18年以来、2度目の出場だった。

スタートから先頭集団でリズムに乗った安藤は、最初の給水こそ失敗したものの、佐藤早也伽(積水化学)や上杉真穂(スターツ)ら招待選手が後れを取り始めても、外国選手と堂々と渡り合った。

23キロ付近ではペースメーカーの背後で実質のトップを走って、好記録が期待できる内容だった。30キロ過ぎに先頭から遅れ始めたが、終盤も崩れず、走り抜いた。

両手を下げて走る姿が「忍者走り」と称される。リラックス効果があり、後半にも力をためて勝負ができる利点があるといわれる。

初マラソンだった17年の名古屋ウィメンズで初マラソン日本最高記録の衝撃デビューを飾ったものの、その後は更新できずに6年がたった。東京五輪はマラソン代表になれず、本職ではない1万メートルで初めて五輪に出て22位に終わった。

次こそマラソン代表を狙う安藤は、パリ五輪の出場権を争う代表選考会「マラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)」(10月15日、東京)の出場権を既に獲得しており、レース前は「マラソンで優勝がないので、ここで優勝を経験したい。強い選手の胸を借りるつもりで頑張りたい」と意気込んでいた。

今大会から折り返しのない新コースが設定され、各選手の記録更新が期待されていた。