先輩の言葉に結果で応えた。

駒澤大・篠原倖太朗(2年)が1時間2分16秒(速報値)で優勝した。男子ハーフマラソンの日本人学生新記録(1時間0分11秒)を樹立した2月5日の香川丸亀国際ハーフマラソンに続き、2戦連続で好走を見せた。

スタートから先頭集団に食らいつき、17キロ地点からペースアップ。独走でラスト5キロ弱を走りきると、右拳をギュッと握り締め、力強くガッツポーズした。

快走続きの背景には、偉大な先輩の存在がある。篠原は丸亀ハーフ直後から、標高1500メートルほどの米国・アルバカーキ合宿に参加。そこで田澤廉(4年)とのトラック走に挑み、力の差を見せつけられた。

「田澤さんと一緒にやった練習の消化率はゼロで。ラストで離されていました」

いつも自分の前を走る田澤。「意識が高い方なので、すごく刺激をもらえます」。学生新記録を更新した後も、偉大な先輩が示し続けてくれたからこそ、謙虚に競技と向き合うことができた。

レース前には、その田澤から言葉を授けられた。

「僕は勝って当たり前の立場になってきていて、田澤さんから『その立場の中でも勝つように』と言われました。有言実行できてよかったと思います」

充実感を漂わせ、控えめに笑みを浮かべた。

これで8月に開催されるFISUワールドユニバーシティゲームズ(中国)の代表に内定。次戦は4月8日の金栗記念(熊本)で1万メートルに出場する予定だ。

「27分台は狙いたいなと思っています」

重圧がかかるレースでも、勝ちきれるように。慢心することなく、歩み続ける。【藤塚大輔】

◆今大会の結果(速報値)

〈1〉篠原倖太朗(駒澤大) 1時間2分16秒

〈2〉吉田礼志(中央学院大) 1時間2分29秒

〈3〉松永伶(法政大) 1時間2分43秒

〈4〉並木寧音(東京農業大) 1時間2分48秒

〈5位〉小暮栄輝(創価大) 1時間2分55秒

〈6〉武田和馬(法政大) 1時間2分57秒

〈7〉野沢悠真(創価大) 1時間2分58秒

〈8〉村松敬哲(東京国際大) 1時間2分59秒