未来の日本短距離界を背負う。北海道日刊スポーツ新聞社は、スポーツで輝かしい成績を収めた道内の中学生に贈る22年度の北海道日刊スポーツ賞の受賞者を決定。個人では、昨年の全国中学陸上の男子100メートルで優勝した舛田快理(札幌簾舞中3年)ら6人を選出した。団体は全国中学スケート女子学校対抗優勝の士幌中央中、全国中学アイスホッケー優勝の釧路景雲中が受賞した。

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北海道中学タイ記録で、舛田が全国中学の100メートルを制してから半年が過ぎた。進学先は北京五輪男子400メートルリレー銅メダリストの高平慎士氏(38=富士通)を輩出した、旭川大高(4月から旭川志峯高)に決まった。「(高平氏のように)日本を背負って走りたい気持ちはあります」と飛躍を誓った。

全国中学の決勝では、最後までトップを譲らなかった。ラスト20メートルで1度はライバルに並ばれたが、驚異的な粘りで突き放し、栄光のゴールへ飛び込んだ。「小学校の5年生と6年生でも全国大会に出ましたが、その時はB決勝と予選落ち。(全国中学)優勝までの道のりは、すごく長かった」という。

小学生時代は野球やバドミントンなどもこなしたが、中学では陸上短距離に専念。簾舞中には陸上部がないため、授業が終わると毎日バスで学校間連携先の札幌藻岩中に移動し、トレーニングを続けた。

高校進学後は、短距離のスピードがそのまま生きる幅跳びにも挑戦し、競技者としての幅を広げる。「今年のインターハイは北海道ですから、1年目で出場できるようにしたい。将来の目標はトップスプリンター。日本選手権で結果を残せば、オリンピックが見えてきますので、まずは日本選手権に出られるように、しっかり体を作っていきます」。高平先輩よりも輝くメダルを目指し、舛田が新天地へ一歩を踏み出す。【中島洋尚】

◆舛田快理(ますだ・かいり)2007年(平19)9月21日、札幌市生まれ。札幌簾舞小4年で本格的に陸上短距離を始める。同小5、6年で全道100メートル優勝。趣味は音楽鑑賞。家族は両親と姉。164センチ、54キロ。

◆昨夏の全国中学競泳男子50メートル、100メートルの2冠に輝いた黒田一瑳(札幌白石中3年) 高校では高校新記録とインターハイでのメダル獲得を目標にし、将来は、世界で活躍できるような結果を残せる選手になりたいです。

◆全国中学ジャンプ女子で優勝した桜井羽奈(余市西中3年) 高校進学後は、インターハイやジュニア・オリンピック優勝を目標に、その先の将来はオリンピック出場を目標に頑張っていきたいと思います。

◆全国中学スピードスケート女子1000メートルで優勝した奥秋静子(士幌中央中3年) 辛い練習や合宿を乗り越えてきたことが、今シーズンの結果につながったと思います。

◆全国中学スピードスケート女子500メートルを制した笹渕和花(帯広第七中3年) 将来は(平昌五輪金メダルの)小平奈緒さん(36)のように、オリンピックで活躍できる選手になりたいと思います。

◆全国中学スピードスケート男子500メートル、1000メートルの2冠を達成した軍司冬馬(豊頃中3年) 高校では1年生でユースオリンピック出場し、良い結果を出したい。

【団体】

◆士幌中央中 全国中学スケートの女子学校対抗戦で、2大会ぶり4度目の優勝を飾った。選手4人の合計は22点で、2位とはわずか1点差だった。500メートル、1000メートルに出場した鎌田璃子(3年)は「1人1人がチームに貢献しようと全力でレースに臨み、ポイント稼げたことが一番よかった」と大会を振り返った。

◆釧路景雲中 全道中学アイスホッケー決勝で敗れたオール十勝C(帯広第四・帯広第五・帯広西陵・浦幌・音更・下音更・幕別・札内・札内東)を4-2で下し、2大会連続4度目の優勝を手にした。主将のFW石井蒼都(あおと、3年)は「主力のいなかった全道で悔しい思いをしたので、ここ(全国)で力を見せたかった。他の選手には、自分についてきてくれてありがとうと伝えたい」と感謝を口にした。

◆選考委員 尾形友秀(北海道教育庁学校教育局健康・体育課課長補佐)高間亨(北海道スポーツ協会事務局長)木村由久(北海道中学校体育連盟事務局長)佐藤卯一(北海道日刊スポーツ新聞社役員待遇営業局長)小林明央(同編集セクション局次長)