男子5000メートルで高校歴代4位の記録を持つ早大・山口智規(1年)が3000メートルに出場し、7分57秒68で1着でフィニッシュした。

冷たい雨が降る中、序盤は順大・三浦龍司(3年)らがレースを引っ張る展開となった。山口も好位置につけ、2000メートルをやや過ぎてから前へ出た。最後は佐久長聖・吉岡大翔(3年)らに追い上げられたものの、1着で逃げ切った。出場選手中、唯一の7分57秒台をマークした。

山口は「2000メートルで(ペースが)落ちたところで余裕ができたので、思いきっていきました」とレースを回顧。さわやかな笑顔を浮かべ「三浦さんと吉岡くんというビッグネーム2人と勝負できることがすごく楽しみだったので、勝ちたい気持ちが強かった。イメージ通りの走りができてよかったです」とうなずいた。

2025年に東京で開催される世界選手権(世界陸上)の5000メートルに出場することを目指している。大学入学後に自ら設定した。今季はその土台を固めるシーズンにもなる。

「タイムとしては(5000メートルで)13分20秒前半を目指しています。勝負となるレースの日本選手権でも入賞することが目標です」

今年1月の箱根駅伝で総合6位に入った早大のメンバーは、ロードレースで好調を維持。2月5日の香川丸亀国際ハーフマラソンで伊藤大志(2年)が学生7位、新主将の菖蒲敦司(3年)が同8位につけると、同月12日の延岡西日本マラソンで佐藤航希(3年)が優勝を収めた。同月19日の青梅マラソンでも、伊福陽太(2年)が学生トップでゴールした。

山口は日々の練習でも、好循環が生まれていると実感する。

「ロードに向けて練習している選手はすごく練習量が多い。佐藤さんは帰省せずに練習をしていました。チームに良い影響を与えてくれていると思います」

自らも好影響を与える存在になれるように。1人1人の努力が、強いチームを形作っていく。【藤塚大輔】