21年東京オリンピック(五輪)3000メートル障害で7位入賞の三浦龍司(21=順大)が、8月の世界選手権(ブダペスト)代表の今大会内定第1号となった。

積極的な走りを見せ、8分21秒41で優勝。すでに参加標準記録(8分15秒00)を切っており、今回3位以内に入ったことで、2大会連続の世界選手権出場が内定した。「しっかりと狙っていたレースでした。勝ちきるのが最低限の目標にしていました。実現できて、レースの展開としては納得してます」とうなずいた。

初出場となった昨夏のオレゴン大会予選では、8分21秒80にとどまった。0秒74差で15人による決勝進出を逃した。「みんな(の動き)が止まっている時にアクションができればよかった」と後悔が残った。今季の目標には、世界選手権での決勝進出を掲げた。

大学4年となった今年は、順大駅伝チームの主将に志願。藤原優希(4年)とともに、2人体制での共同主将に就いた。1学年先輩で、前チームの主将だった西澤侑真(22=トヨタ紡織)の背中を見て「最後にキーになるのはやっぱり4年生。自分も経験としてそういうことが必要」と思い至った。

3000メートル障害のトップ選手が、駅伝チームの主将を兼ねることはまれ。「クレイジー」との声も聞こえてきた。ただ、何かをつかみたかった。「その立場(主将の立場)になってみないと、きっとスタートラインには立てない」。一回り大きくなるために、新たな肩書を望んだ。

そして迎えた日本選手権。自ら課した重責にも負けず、2大会連続の代表の座をつかんだ。大会前には、ひょうひょうとした口調で決意をにじませた。

「ここまで自分が最高のパフォーマンスをした東京五輪の時の走りに近づくことを目指したい。自分自身も記録を出して、世界のトップレベルにいる人たちに食いつけるような走りをしたい」

昨年は果たせなかった決勝の舞台へ。日本代表として、主将として、三浦は壁を越えていく。