陸上の男子短距離で8月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)100メートル6位入賞のサニブラウン・ハキーム(24=東レ)が、来年に陸上の全国大会を開催すると発表した。

30日、東京・夢の島競技場で小学生から高校生向けの陸上イベント「サニブラウンスピードトライアル」を開催。その後に報道陣向けのプレゼンテーションを実施し、パリオリンピック(五輪)イヤーとなる24年に全国規模の大会「DAWN GAMES」を開く構想を明かした。

かねて日本の陸上界を盛り上げ、「子どもたちがチャレンジできるような懸け橋をつくっていければ」との思いを抱いていたサニブラウン。「DAWN GAMES」は全国の子どもたちが対象で、各地区でのブロック大会を経て、パリ五輪後に東京でファイナル大会を開くという。

「優勝者や優秀な成績を残した選手に海外を肌で感じてもらう機会を増やしていけたら」と趣旨を説明。「これは例えですが」としながら「自分がいる米国のチームを見学できるようにしたり、ダイヤモンドリーグなどの世界トップの大会を帯同させたりなど、世界トップレベルを肌で感じてもらって、もっともっといろいろなものを見てほしい」とプランを打ち明けた。

無観客で開催された21年東京五輪や昨年のサッカーW杯の盛り上がりに触れ「陸上競技は個人スポーツ。チームスポーツのサッカー、野球、バスケットに比べて、国中が一丸となって応援するのとは違う色が出てくるけど、少し寂しかった」と物足りなさを感じていた。「競技者として、選手として、子どもたちのために何ができるのか、陸上競技やスポーツ界に対して何ができるのかを考えてきた」。競技者でありながら、同時に未来のスポーツ界のためにアクションを起こしていく。

この日も小学生から高校生までの約100人を対象としたイベントを主催。小学生は50メートル、中学生と高校生は100メートルのタイムレースを実施し、各カテゴリーの優勝者は「TEAM Hakim(チームハキーム)」のメンバーとして、1年間オンライン指導などのサポートをすると説明した。

「夢を与えていければ」

そう強調したサニブラウン。世界トップレベルのスプリンターが、子どもたちと夢を膨らませていく。