<陸上:静岡国際兼世界選手権代表選考会>◇3日◇静岡県・小笠山総合運動公園エコパスタジアム

 男子400メートルハードルでは日本人トップの2位に入った岸本鷹幸(20=法大)が49秒27と世界陸上標準記録Aを破ったが「まったく想像していませんでした。ビックリです」と自身も驚く快走だった。

 その背景には前半型への変身が成功したことがあった。高校チャンピオンだった岸本だが、当時はラストの直線で大きく伸びるレース展開を得意としていた。だが、それでは上のレベルで戦うのは難しくなる。「前半から行くしかないと思って去年も取り組んできましたが、なかなかしっくり来ませんでした」。それが今大会は一番外の9レーンだったため、他人のペースに合わせず自分のリズムを心がけたことで前半から行くことができた。

 この種目の標準記録A突破は岸本が1人目。「まったく関係のないこと」と思っていた世界陸上が、現実的な目標になってきた。