<陸上:全日本実業団対抗>◇初日◇21日◇福岡・博多の森陸上競技場

 女子1万メートルには1500メートル日本記録保持者の小林祐梨子(23=豊田自動織機)が出場。31分51秒91の好タイムで2位(日本人トップ)となり、ロンドン五輪代表の福士加代子(30=ワコール)と吉川美香(28=パナソニック)を抑えた。

 ロンドン五輪は北京五輪に続き5000メートルでの代表入りを目指したが、日本選手権で4位と敗れた。その後記録会で初1万メートルに挑戦し、今回が2度目の専門外種目への出場だった。「記録会はゆっくりで、練習のペース走のような感覚で行けましたが、今回は怖くてめっちゃ緊張しました」

 福士たちがハイペースで飛ばしたため先行されたが、日本選手権と同じ展開だった。そのときも最後まであきらめずに追ったが、差を詰めきれなかった。「今回も追いつけなかったら、(自分も)終わりと思っていました」と、大きな覚悟をもって臨んでいた。

 だが、そこで結果を出したのに今後は1万メートルは走らないと言う。「1万メートルは駅伝のために走っているだけ。自分は1500メートルのスピードを生かせる5000メートルくらいが良い」

 大きな動きで跳ねるように進むのが小林本来の走り。トラックの1万メートルと駅伝の長めの区間を走るのは特例といえそうだ。それだけに見逃さないようにはしたい。