<陸上:全日本実業団対抗>◇最終日◇23日◇福岡・博多の森陸上競技場

 女子三段跳びは桝見咲智子(27=九電工)が13メートル34の自己タイ、今季日本最高タイで快勝。前日の走り幅跳びに続く2冠となり、女子最優秀選手に選ばれた。

 桝見は走り幅跳びが専門で6メートル65の日本歴代3位の記録を持つ。2009年の世界陸上代表にもなった。しかし故障で昨シーズンを棒に振った影響もあり、ロンドン五輪代表には届かなかった。

 五輪最終選考会の日本選手権後に三段跳びの練習を始め、8月に13メートル34の日本歴代5位をマーク。「国体の種目が走り幅跳びではなく三段跳びだから」(桝見)という理由だが、「日本記録は三段跳びの方が近いのではないか」とコーチからは言われている。桝見自身は「どちらも日本記録を目指します」。

 日本記録は三段跳びが14メートル04で、走り幅跳びが6メートル86。走り幅跳びの方が世界レベルの記録だが、175センチと上背に恵まれていることもあり桝見の三段跳びには“大きさ”が感じられる。「三段跳びをやり始めたことで、走り幅跳びでも上ではなく前に跳び出せるようになりました」

 2種目で世界を目指す珍しいケースとなりそうだ。