出雲全日本大学選抜駅伝(10月8日=島根・出雲市)は11月の全日本大学駅伝、1月の箱根駅伝と続く学生駅伝の初戦で、6区間44.4キロと距離が最も短い。東洋大、駒大、早大が3強だが、各大学とも今季はトラックで好タイムが続出。スピード駅伝にふさわしい陣容となった。

 前回優勝チームで箱根駅伝でも圧勝した東洋大は、“山の神”柏原竜二(23=富士通)が卒業した。だが今季、設楽啓太(3年)と弟の悠太(3年)がそろって、1万メートルで柏原の東洋大記録を上回った。スピードは昨年のチームを上回る。

 箱根では東洋大に大差をつけられたが、スピードで東洋大の上を行くのが駒大である。1万メートルの上位10人の平均が28分30秒を切った。学生チームでは画期的なことで、そのスピードを駅伝に生かすことが課題だろう。油布郁人(3年)、村山謙太(2年)らが序盤で切れ味を見せ、最長区間の6区で窪田忍(3年)がスピード持久力を発揮するか。

 早大はエースの大迫傑(3年)がチームを引っ張る。日本選手権1万メートルで2位となり、学生では頭ひとつ抜け出た存在だ。山本修平(2年)が前半で流れを作れば、6区の大迫で大逆転も期待できる。