<岐阜国体:陸上>◇8日目◇6日◇岐阜長良川競技場

 ふるさと代表として地元岐阜県で出場した青木沙弥佳(25=東邦銀行)が、成年女子400メートル障害で快勝した。

 完璧なレースだった。青木は1台目のハードルから徐々にリードを広げ、2位に約5メートル差をつけて最後の直線に入った。大歓声に背中を押されて逃げ切った。56秒98は今季自己2番目のタイム。納得の表情でレースを振り返った。「地元のプレッシャーはありましたが、よしやるぞ、という気持ちでスタートラインに立てました。ストライドをちょっと広げる走りができるようになって、それまで力んでいた前半で、楽に進む感覚をつかむことができました」

 メンタル面での積極性に加え、技術面での改良も相乗効果を生んだ。3台目までのインターバルを15歩とした。少ない歩数で走る部分がスムーズになり、後半も余力をもって走れるようになった。前レースから課題としていた最後の3台も「無駄なく」ハードリングができ、余裕を持って逃げ切ることができた。

 県岐阜商高出身で高橋尚子さんの後輩にあたる。高校時代は100メートル障害が中心だったが、3年時から400メートル障害にも取り組み始めた。福島大進学後に日本の第一線に頭角を現し、2008年北京五輪は4×400メートルリレーの代表に。翌2009年は400メートル障害で世界陸上に出場した。「自分が400メートル障害で地元国体に戻ってくる姿は、高校時代の私には想像できませんでした。環境に恵まれ、指導者や仲間に恵まれてここまで来られたと思います」

 2011年以降は世界陸上と五輪代表に入っていない青木だが、地元国体の優勝を機に再浮上を目指す。