実業団女子駅伝中日本大会が10月21日、岐阜県庁を発着点とする6区間42・195キロのコースで行われる。5位までと2時間23分以内のチームが12月に宮城県で開催の全日本実業団対抗女子駅伝に出場することができる。

 デンソーと豊田自動織機の優勝争いが白熱しそうだ。

 昨年は豊田自動織機が区間賞独占の独走でデンソーに4分21秒差をつけたが、全日本大会ではデンソーが5位と健闘。豊田自動織機は12位と崩れた。どちらも1区で出遅れたが、エース区間の3区で杉原加代(29)が区間賞の快走を見せデンソーが上位に進出した。一方の豊田自動織機はキャプテンの小島一恵(25)が区間18位とブレーキをして明暗を分けた。

 両チームともエースは日本代表経験のあるスピードランナー。

 現在の状態は2009年ベルリン世界陸上5000メートル代表だった小林祐梨子(23=豊田自動織機)が上だろう。故障で戦線を離脱中の小島に代わってキャプテンに指名された。1500メートル日本記録保持者が「駅伝のために」と今季初1万メートルに出場。2レース目の全日本実業団(9月)で日本人1位と非凡な才能を見せた。

 デンソーの杉原は昨年のテグ世界陸上1万メートル代表。今季は日本選手権1万メートル4位までは良かったが9月の全日本実業団は11位。今月6日の世界ハーフマラソンも19位と振るわなかった。

 外国人の出場は2区(4・2キロ)に限定されているが、ここでも豊田自動織機のムルギ(18)が、デンソーのワイリム(20)を上回る。

 だが、選手層の厚さではデンソーが上だ。三重大出身と異色の経歴の水口侑子(27)が全日本実業団1万メートルで8位入賞。自己記録も大幅に更新し、エースの杉原に先着した。新キャプテンとなった高島由香(24)は5000メートルで自己新。大物ルーキーの石橋麻衣(23)は昨年のユニバーシアード1万メートル銅メダルの実績を持って加入した。

 豊田自動織機も期待の永田あや(22)が1万メートルで自己新と、低迷を抜け出した。だが、前述のように小島が故障で出場できない。世界陸上代表経験のある脇田茜が退部し、高卒大物新人の菅華都紀(18)もまだ力を発揮していない。

 小林と杉原の出場が予想される3区(10・2キロ)終了時点で豊田自動織機がリードする可能性が高い。だが、後半の3区間はデンソーが追い上げそうだ。豊田自動織機が逃げ切るとしたら、永田や菅が今季一番の快走をしたときだろう。