実業団駅伝の男女東日本予選である「’12彩の国

 実業団駅伝」(埼玉県庁~熊谷)が11月3日に、海外では「ニューヨークシティ・マラソン」が11月4日に開催される。ニューヨークシティ・マラソンには福士加代子が出場するなど日本勢の活躍に注目が集まる。【ニューヨークシティ・マラソン】

 福士加代子(30=ワコール)と大久保絵里(29=セカンドウィンドAC)の女子2選手が出場する。日本陸連が指定した海外5大会の1つで、派遣設定記録である男子2時間07分59秒、女子2時間23分59秒以内で走れば来年のモスクワ世界陸上の有力候補となる(決定は来年4月)。

 福士は五輪3大会連続代表で、今年のロンドンでは1万メートルで10位と入賞に迫った。だが、過去3回走ったマラソンはいずれも後半で失速している。

 今回はこれまでのマラソン練習で「一番スピード練習を少なくした」とワコールの永山忠幸監督。「長い距離への苦手意識をなくすため、クロスカントリーコースのアップダウンなどを多く走りました」。それでも、28日の実業団女子駅伝西日本大会では3区(10・2キロ)で区間賞を獲得し、特徴であるスピードを生かしたマラソンへの準備ができつつある。

 2時間18分58秒(世界歴代5位)を持つティキ・ゲラナ(25=エチオピア)や、昨年の世界陸上優勝者のエドナ・キプラガト(32=ケニア)らも出場する。起伏が多い難コースで大会記録は2時間22分31秒と高くないが、近年は2時間23分台が多く出ている。

 福士は実業団女子駅伝西日本大会レース後に「どこまで先頭集団で行けるか。自分のマラソンがどんなものかを試したい」と目標を話した。記録にこだわっているわけではないが、終盤まで優勝争いができれば2時間23分59秒はクリアできそうだ。

 大久保は2月の東京マラソンで日本人トップの4位(2時間26分08秒)となった。東京で5位だったアルヒポワ(29=ロシア)がロンドン五輪で銅メダルを獲得したことで刺激を受けている。【’12彩の国

 実業団駅伝】

 実業団駅伝駅伝全国大会の東日本予選。男女が同時に行われるのはこの大会だけだ。

 男子はニューイヤー駅伝優勝の日清食品グループが優勝候補筆頭。ロンドン五輪トラック長距離代表だった佐藤悠基(25)は、入社後走ったすべての駅伝で区間賞とまったく外さない。若松儀裕(25)も5000メートルで日本選手権3位と成長。つなぎの区間も人材豊富で死角が見あたらない。

 ニューイヤー駅伝2位で、宇賀地強(25)がエースとして成長したコニカミノルタが日清食品グループを追う。

 女子も昨年の全日本実業団対抗女子駅伝優勝の第一生命が優勝候補だが、ロンドン五輪マラソン代表の尾崎好美(31)はエントリーしていない。ロンドン五輪トラック代表だった吉川美香(28)のいるパナソニックや、清水裕子(27)らエースが育っている積水化学との接戦となるか。

 有力チームが予選で落ちる可能性はなく、個人の走りが注目される。前述の佐藤と吉川に加え、女子1万メートルで9位と健闘した新谷仁美(24=ユニバーサルエンターテインメント)の3人がロンドン五輪代表。箱根駅伝で“山の神”だった柏原竜二(23=富士通)の実業団駅伝デビュー戦としても注目を集めそうだ。【11月前半の主な陸上競技大会】11月3日:’12彩の国

 実業団駅伝(埼玉県庁~熊谷)11月4日:全日本大学駅伝(名古屋~伊勢)11月4日:ニューヨークシティ・マラソン(米国ニューヨークシティ)~11月4日:グランツール九州(九州各都市)