第49回九州実業団対抗駅伝が11月23日、福岡市から北九州市の7区間78.8キロのコースに17チームが参加して行われる。7位までがニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)への出場権を得る。

 上位チームのエースがマラソンで活躍しているのが九州地区の特徴だ。中本健太郎(29=安川電機)はロンドン五輪6位、堀端宏行(26=旭化成)は昨年のテグ世界陸上7位と世界的なランナー。前田和浩(31=九電工)と今井正人(28=トヨタ自動車九州)も、ロンドン五輪選考会で代表にあと一歩という成績を残した。

 堀端は12月の福岡国際マラソンに出場予定で、残りの3人も来年2~3月のマラソンを走る可能性が高い。出場区間は別々になるかもしれないが、エース4人が次のマラソンに向けてどのような走りをするかをチェックしておきたい。

 優勝はこの4人が所属するチームの争いとなる。今年1月のニューイヤー駅伝は旭化成の3位を筆頭に九電工5位、安川電機6位、トヨタ自動車九州7位と九州勢が入賞8チームのうち半数を占めた。今大会も激戦が予想される。

 選手層の厚さでは旭化成が一番。出口和也(24)が6月の日本選手権5000メートル優勝と成長し、1万メートル学生記録保持者の鎧坂哲哉(22)が秋になって力を発揮し始めた。深津卓也(25)も9月の全日本実業団1万メートルで8位(日本人3位)と日本トップレベル。マラソンで活躍する佐藤智之(31)も長距離区間で力を発揮するだろう。

 ただ、旭化成は外国人選手がいないため、他のチームは4区まで30秒前後の差で粘り、外国人区間の5区で抜け出したい。なかでも九電工のポール・タヌイ(21)がテグ世界陸上1万メートル9位と一段上のスピードを持つ。

 一番長い区間(7区)でも14.2キロで、1つの区間で大差がつきにくい駅伝。エースの頑張りよりも、総合力に左右される程度が大きい大会だ。

 昨年は4チームが2分20秒差でフィニッシュした。旭化成優位ではあるが、どこのチームが勝ってもおかしくない。