<第49回九州実業団対抗駅伝>◇23日◇福岡市~北九州市(7区間78・8キロ)

 旭化成が3時間52分54秒で3連勝を達成した。1区の出口和也(24)でトップに立ち、2区で3位に後退したが3区の大野龍二(27)で再びトップに。6区終了時で2位の安川電機に26秒差と迫られていたが、最終7区の深津卓也が区間新の快走で逃げ切った。ロンドン五輪マラソン6位の中本健太郎(29)を擁する安川電機が2位、元祖“山の神”今井正人(28)の所属するトヨタ自動車九州は3位となった。

 旭化成が九州ナンバーワンの層の厚さを見せつけた。出口は6月の日本選手権5000メートル優勝者で、大野は2004年アテネ五輪1万メートル代表。4区の堀端は昨年のテグ世界陸上マラソン7位で、5区の鎧坂哲哉(22)は1万メートルの学生日本人最高記録保持者。世界陸上代表経験のある佐藤智之(31)や岩井勇輝(29)が控えに回るほどだった。

 レースごとにヒーローが入れ替わるが、今回は3区でトップに立った大野だった。発熱をしやすい体質でアテネ五輪後は日本代表から遠ざかっているスピードランナー。6年ぶりに今大会の区間賞を獲得し、再浮上の兆しを見せた。

 外国人を使わないのも旭化成の特徴。例年そこが“守りの区間”になるが、今季は新人の鎧坂が「外国人区間を走ってみたい」と攻めに転じた。5区で外国人2選手を抑えて区間3位の快走。個々の選手が力を出し切った。

 2位の安川電機はエースの中本を最終7区に起用。アンカー勝負に持ち込みたかったが、中本が区間4位と振るわなかった。トヨタ自動車九州は今井が4区、若手ホープの小西祐也(22)が6区で区間賞を獲得して九電工との3位争いを制した。

 7位の西鉄までがニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)出場権を得た。