<4月前半の陸上競技展望>

 8月のモスクワ世界陸上を頂点とする2013年のトラック&フィールド・シーズンが開幕する。7日の東京6大学では昨年のロンドン五輪で活躍したディーン元気(21=早大)と山縣亮太(20=慶大)が注目される。

 ディーンは男子やり投げで、日本人として28年ぶりの予選突破に成功。決勝は10位と入賞はできなかったが、将来はメダルを狙える選手であることを印象づけた。男子100メートルの山縣は予選で10秒07の五輪日本人最高、準決勝でも10秒10と自己記録に迫った。日本人初の9秒台も期待できる。

 昨年は今大会でディーンが79メートル60、山縣が10秒25とハイレベルの記録を出し、夏の五輪まで突っ走った。だが、ディーンは脇腹の痛みを五輪で悪化させ、山縣は9月の日本インカレで右大腿裏を肉離れ。シーズン後半は満足できる結果を残せなかった。

 その反省からディーンは今季、シーズン序盤は少し抑えめに入るという。山縣も肉離れが重症で、3月まで全力の練習ができなかった。その状況で2人がどんなパフォーマンスを見せてくれるかに注目したい。

 6日の金栗記念選抜中長距離熊本大会は、駅伝などロードレースで活躍した選手がトラックの初戦として多数出場を予定している。

 男子5000メートルには宮脇千博(21=トヨタ自動車)宇賀地強(25=コニカミノルタ)がエントリー。この大会でトラックのレース勘、リズムを取り戻し、月末の1万メートルで日本記録更新を目指す。

 また、元エスビー食品の上野裕一郎は、DeNAとしての初戦に臨む。

 学生では箱根駅伝山登りの5区で区間賞、日体大を30年ぶり優勝に導いた服部翔大(4年)、東洋大・設楽啓太・悠太兄弟(ともに4年)、早大・大迫傑(4年)、駒大・村山謙太(3年)と各大学のエースが出場。駅伝ファンも注目したい大会だ。【4月前半の主な陸上競技大会】

 6日:金栗記念選抜中長距離熊本大会(熊本)

 7日:東京6大学(東京・国立競技場)