<陸上:兵庫リレーカーニバル兼モスクワ世界陸上代表選考競技会>◇21日◇神戸ユニバー記念競技場

 女子走り高跳びは世界陸上選考競技会種目ではなかったが、福本幸(36=甲南学園AC)が1メートル85を1回でクリアして優勝した。1メートル90には失敗したが、にわか雨にも見舞われた肌寒いコンディションを考えると、今季の技術が安定していることがわかる。

 4月14日のオーストラリア遠征で1メートル92の世界陸上B標準に成功した。「路面の柔らかい競技場でしたが、経験で対応することができました。去年から踏み切った後に腕を高く挙げるようにしていますが、そこも上手くできました」

 1メートル92は福本にとって、2004年以来9年ぶりの自己タイ。「やったー、と飛び跳ねて喜びました。感無量でしたね」

 2010年には長女を出産したママさんジャンパーで、今年1月には36歳となった。その精進にはただただ頭が下がる。「9年前は体力、筋力で体を浮かせることができましたが、今は助走スピードよりも正確な踏み切り技術で跳べています」

 1メートル96の日本記録挑戦も期待されるが、「去年、記録を意識しすぎて失敗したので、まずはアベレージを1メートル90以上にすること」と慎重だ。

 国内にライバルは見当たらず6月の日本選手権優勝は濃厚。優勝すれば世界陸上代表入りする。アベレージを求めるのは「世界陸上で決勝に行く」ことにつながる。

 2007年に次ぐ2回目の世界陸上で、ママさんジャンパーの進化をアピールする。