<陸上:日本選抜和歌山兼モスクワ世界陸上代表選考競技会>◇27日◇和歌山市紀三井寺公園陸上競技場

 男子円盤投げは堤雄司(23=国士大院)が3投目に58メートル84の日本歴代3位を投げて優勝。自身が昨年マークした57メートル74の学生記録を更新した。

 「3投目は(ターンに入る前の)腕振りのところから大きく動けて、最後も引っ張らずに押していけました。57メートルくらいの感覚でしたから、力に頼らずにスパンと抜ける投げができたのだと思います」

 しかし、競技後の堤に笑顔はなかった。狙っていたのは60メートル22の日本記録だった。

 「4投目以降でもう一段階ギアを上げたかったのですが、上げることができませんでした」

 練習では今回の学生記録以上の動きができているが、それを試合のなかで出そうとすると流れが崩れてしまう。最後の6投目は、投げた後にバランスを崩して転倒してしまった。

 その課題が克服できれば1979年にマークされ、五輪種目では日本最古となっている日本記録を破る手応えはある。

 「歴史の壁を破っていきます」

 表彰式でインタビューを受けた堤は、スタンドの観衆に誓った。